A-wave株式会社(エィウェーブ、本社:大阪府大阪市北区角田町1番12号、代表取締役:桝田 浩禎)は、MedVenture Partners株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:大下 創)が管理・運営する「MPI-2号投資事業有限責任組合」(以下「MPI」)から2023年7月24日にSeries A ラウンドにて1.2億円の資金調達を実施しました。
代表取締役兼大阪大学 大学院医学系研究科 外科学講座 心臓血管外科学 特任助教の桝田浩禎は、心臓血管外科専門医として従事する中で「慢性心不全患者の症状再燃と再入院を早期発見して早期に治療する」というunmet medical needsに着目し、非侵襲でこの課題を解決する腕時計型ウェアラブルデバイスを用いた下図のような遠隔診療システムの研究開発を行ってきました。 その研究成果を基に、大阪大学発ベンチャーとして2023年5月にA-wave株式会社を起業し、社会実装に向けた開発を推進しています。
日本国内に約120万人いると言われている慢性心不全患者は、在宅での体調管理や症状の把握が不十分であるために、しばしば心不全の症状を悪化させて再入院します。 再入院の度に心機能が悪化してしまい、元の元気な状態には戻りません。そのため、再入院の度に患者の生命予後は著しく悪化します。 このような再入院患者の数は年間約12万人にも上ると言われています。 この心不全症状の悪化を早期に検出して早期に治療を開始すれば、患者の予後は改善すると見込まれていますが、現状では良い手段がなく、大きな問題になっています。
その課題を解決すべく、A-wave株式会社では『心不全に関連する症状を検出する腕時計型ウェアラブルデバイスを用いた遠隔診療システムを開発しました。 この腕時計型ウェアラブルデバイスでは、心不全の早期に発生する症状と言われている心雑音と活動量低下および末梢冷感(いわゆる冷や汗)を検出するためのセンサーが搭載されており、 専用のスマートフォンアプリおよびクラウドサーバーと連動してデータを解析することで、在宅の患者さんの心不全症状を早期に検出します。
この機器は2022年2月から5月にかけて大阪大学医学部附属病院に入院中の患者に使用され、心雑音検出においては専門医と同等の診断精度が得られています。 A-wave株式会社では、これらを用いることで、自宅にいながら専門医レベルの身体診察を毎日受けられるようになり、心不全悪化を早期に発見できるDigital Therapeutics (DTx) の世界を実現しようとしています。
今秋からは、本医療機器を用いた多施設臨床研究を実施し、その後治験にて心不全症状の早期発見・早期治療・心不全悪化の予防効果を証明する予定です。 A-wave株式会社は、今回調達した資金を用いて本医療機器の開発を加速し、慢性心不全患者の長年の課題を解決することで、より良い社会の創造へ貢献し、新たな時代の波を作っていきます。